10年

ふと『夢想』の最終章を、ルソーがヴァラン婦人との思い出を語るところから始めていることを思い出した。たしかこの小品が彼の絶筆であったはずだ。稀代の変態にして革命の起爆剤となったこの天才は、死ぬ間際まで青春時代に好きだった女のことを考えていた…

蟄居生活

前に書いてからもう一か月以上も経つのか。その間に僕が住む世界はまったく――というのは少し言い過ぎかもしれないけれど――変わってしまった。会社に一日15時間くらい拘束される毎日だったのに、今やほぼ自宅軟禁状態である。とは言ったものの仕事量が減るわ…

De-Tokyonization

あまりに疲れてしまったので、ちょっと郊外に足を延ばしたいと思い、厚木を訪れる。この街は、雪以外であれば僕が冬に求めるものがすべて楽しめる上に、都内から1時間程度でアクセスできるので、都会に疲れた人間の現実逃避にはもってこいの場所なのである。…

劣等感が恋しくて

相変わらず激務の日々が続いている。会社では相変わらず、脳と小腸と足首を同時に手術するような荒療治が続いていて、いきおい僕も毎日深夜までPCを叩く日々が続いている。事務的なことだったらまだ救いがあるのだが、いろいろ変えることによって席や食い扶…

摩天楼

久しぶりの出張でシカゴを訪れる。例によって別に心躍るようなものでもないのだが、個人的にフィット感を感じられる街だった。どことなくマドリッドにも似ていて、インテリジェンスを感じさせる街だ。宿もダウンタウンの真ん中あたりだったので、ちょっとし…

新しいストーリー

正月休みももう終わりである。慌ただしい日々が始まる前に、一度くらいブログを更新しておこうと思い、キーボードを叩いている。年末からそのために時間をとろうとは思っていたのだけれど、あまりの疲れのためかどうも気乗りがせず、今日まで伸ばし伸ばしに…

帰ってきた労働者

このブログを始めて以来、50日間も記事を書かなかったのは初めてになる。言い訳はしたくないのだが、それくらい忙しかった。勤めている会社がどう見てもクレイジーな部類に入る会社なのはわかっていたけれども、2か月近くにも渡ってけちょんけちょんに詰めら…

真人間への道

相変わらずコンスタントにそこそこの人が訪れてくれているようなのだが、やはりあまり濃い記事を書こうという意欲に乏しい…などと頭から言ってしまうのは元も子もないのだが、プライベートに残されているリソースが少ない以上仕方ないのである(開き直り)。…

37歳の打算

3連休は個人的な作業をいろいろ進める予定だったのだけれど、日ごろの疲れと子どものフォローに追われ、やはりこの二日の作業進捗は好ましくない。「とにかく30代はアクティヴに」ということを意識して、都内でも最も交通の便にすぐれたエリアに居を定めたは…

伊勢

久しぶりに伊勢に行く。前に行ったのはもう何年前になるだろう?家族をかの地に連れていくのは、ここ5年ほど僕の目標のひとだっただけに、妻と子どもを連れて早朝の外宮の鳥居をくぐった時には、なかなか感慨深いものがあった。神社を訪れるのは元々好きなほ…

時間泥棒

いつの間にか夏が終わろうとしている。ピークの時の暑さはそれなりではあったけれど、夏と呼ぶのが憚られるくらい、短く、ささやかな夏だった。北海道へ家族旅行に行った時間を別にすれば、僕はコンクリートジャングルの真ん中で嫌になるほど仕事をしていた…

現代のシーシュポス

ずいぶん疲れている。仕事が多いことによる肉体的・精神的なものがその原因であることは疑いようもないが、ちょっともう少し視野を広げてみると、会社に勤めることや東京に住み続けること自体にやや限界を感じ始めているのかもしれないなとも思う。会社は変…

なんとか生きているのだが

さすがに金曜の深夜に2時間半ぶっ続けで説教されるのは辛い(10:00~12:30)…。"Don't take it personally"とよく言うけれど、150分に渡る説教を個人的に受け取らない人がいたらぜひ会ってみたいところである。誰かにグチのひとつも言いたいのだけれど、ここ…

アウトプットをしなくては

最近あまり更新できていない。無駄に忙しいせいである。新しい会社にきて9か月ということで、ほぼ完全になじんだ一方で、だんだん成果物の質を担保できないタスク量になりつつある。相変わらず深夜も働いているので、プライベートとのバランスも良くない。自…

二律背反

週末というのにまた作文に追われているのだが、さすがに疲れたのでちょっとこちらに書く。日本語だとあまり頭を使わないで書ける――というのは語弊があるが、横文字を書く時と、使っている頭の部分が違うのだと思う。なんといっても半生を共に生きてきた言語…

砂糖と距離を置くの巻

前々から考えていた、「砂糖と距離を置く」計画を実行に移すことにした。すでに初めてから1週間が経過している。とはいってもそこまでハードコアなものではなく、要するに菓子や清涼飲料水の類は基本口にせず、調味料は基本的に若干のはちみつを使用、という…

モチベーション

前から予期していたとおり、少しずつではあるけれども、自分の時間と呼ぶべきものが日常に戻り始めている。やはり子育ては3~4歳がひとつの山なのだなと思う。家族と一緒の休日でも、軽めの本を読んだり、簡単な片づけをするくらいの時間ならずいぶん確保で…

神様がくれた時間

急成長企業に勤めることの代償ともいえる、ジェットコースターのような日々にようやく休息が訪れた。今週は社長以下のマネジメント陣が全員海の向こうに行っているので、一週間ゆっくりと自分の仕事ができる。ついこの間10連休があったとは思えないくらいに…

葛藤

あっという間に5月も半ばになってしまった。MBAも終わったことだし、年が明けてから多少は時間がとれるようになるようになるかと思っていたのだが、①仕事がほぼ常時末期的な状態であったこと、②次女の制御がまだできない(=悲しいほど聞き分けがない)こと、…

充実の代償

自分で言うのもなんだが、最近けっこう充実している。仕事で認められるというか、好意的なコメントをもらうことも増えてきたし、プライベートもまあそれなりにうまくいっている。胸のあたりが苦しくなるような嫉妬や焦燥感に苛まれるようなことも最近はほぼ…

雪のラスベガス

砂漠でも雪が降るのだな、と思った。聞いたところによると、ラスベガスという街を冬の結晶が彩るのは実に11年ぶりらしい。そういう稀有なタイミングに居合わせることができたのを幸運と呼ぶべきかどうかはよくわからないが、すくなくともそのせいで、欲望の…

アメリカへ

­­­久しぶりに成田空港に来たら、施設の老朽化がずいぶんと目についた。ここ最近は羽田しか使っていなかったので、必然的にそちらが基準になってしまうのは、むべなるかなというところである。古くなってきたのは無理もない、中森明菜が「北ウイング」を歌っ…

借りる猫の手募集中

また泣きそうになるほど時間がない。昨年の暮れの頃は、学校が終われば、毎日ゆっくり読書する時間くらいとれるだろうと期待していたのだが、結局毎日25~26時まで働いており、ワークライフバランスは一時的に悪化している。おそらく3月の半ばを過ぎれば一旦…

逃げとしての副詞

ここに書こうという気があまり起こらなかったのは、忙殺されていたというよりも、仕事で文を書き続けなければならなかったためかもしれない。僕が勤めている会社には、「フォーマルな報告書は原則ワードで書く」というルールがあって、フォントサイズ9で4~6…

時間切れ

この週末は時間をとってゆっくり記事を書いてみようと思ったのだが、結局来週の仕事の予習と子どものケアでほぼ二日間とも終わってしまい、あまり生産的な時間を過ごすことができなかった。来週いっぱいがんばれば、なんとか年初のラッシュは終わりそうなの…

流されゆく日々

相変わらず仕事が重い。初めて行う業務が多いことに加えて、立場上社長以下のお歴々にいろいろと提案をしなければならない立場なので、気を遣うことも多い。いま取り組んでいるのは、社内で使用するKPIをすべて見直すという業務で、これらに検討を加えて最終…

欲望のかなたに

仕事が本格的に始まってまだ2日だというのに、もうかなり疲れている。年初のプランニングについての重い仕事がこの1月上旬~中旬にかけて集中しているためである。僕の勤めている会社は、とにかく文書化が命という絶対的なカルチャーがあるため、学位論文に…

2019

冬休みは少しゆっくり過ごすことができるかと思ったのけれど、結局日常に流されているばかりで、明日の初出社を迎えようとしている。ブログに書きたいことはいろいろあったものの、休息をとることと生活のリズムを変えることを優先していたために、ここまで…

気づいたら師走

帰ってきたらずいぶん時間がとれるだろうと思っていたのだが、年単位の疲れがたまっているのと、手つかずになっていた大量の事務作業があるのに加え、いくつかの重要な仕事が残っているので、結局バタバタとしていた。先週、久しぶりに勉強以外の一人の時間…

卒業

シンガポールのランドマーク、例の船が上に乗っているホテルでの卒業式。人生初めてのアカデミック・ガウンはぶかぶかで、オバケになったような気さえした。学位が得られたことによる安堵感と、これから始まる新しい日々への期待からだろう、同級生たちは皆…