バレエ・デビュウ

3月末ということで、年次モノの業務もだいたい終わって、今日は非常に落ちついている。というわけで、この奇妙な週末のことについて備忘用に記載する。

 

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娘と渋谷に行く。彼女の誕生日プレゼントの購入のためである。ロフトであれこれと選んだあと、目的のものを購入し、そのあとはサブウェイでサンドイッチを食べる。「カラオケがしたい」とのたまうので、帰りにビックエコーに寄って帰宅。全部で4時間程度。教科書的な高校生のデートのようである。

 

ずいぶん昔、僕も同じようなことを同年代の女の子としていた。でももう彼女たちは僕のとなりでマイラバを歌ってはくれないし、膝枕もしてくれない。皆育児で忙しいのだ。代わりに娘が「おかあさんといっしょ」の歌を歌ってくれる。僕が「みかんのうた」を歌うと笑ってくれるのは、どちらも変わらない。

 

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妻の体調が微妙ということで、娘のバレエ教室に付き添いで行く。付き添いとは言っても、「親子バレエ」という名目なので、当然親も参加する必要がある。というわけで、親子皆レオタードで揃えているところに、一人ジャージで参加する(当然黒一点)。

 

それぞれの動作の名前は不明だが、とにかく猿真似を続けて1時間をやりすごす。ところどころフランス語が入るので意味はわかるのだが、残念ながら語彙を理解したからといって、体がしかるべく動作するというわけではまったくない。したがって、とりあえず笑顔で足を曲げ、伸ばし、跳び、そして笑う。ほとんどブラックコントである。先生がなかなか可愛いのが救いといえば救いだった。教室を出ると股関節がひりひりした。

 

というわけで人生初のバレエを経験した。そういえば、僕が関わった女の子の中には、2人バレエをしている子がいた。彼女たちは今どこでなにをしているのだろう。人生とは残酷なものだ、ずいぶんと甘い時間を過ごしたはずなのに、もうそのかけらくらいしか思い出すことができない。それでも僕は、呼吸し、咀嚼し、排泄し、与えられた時間を生きる。何のために?僕がそれを教えてほしいんだよ。