CNT 秋の陣

今年2回目のバリウムの日が終わると同時に、9月もまた終わろうとしている。まだ日中はいくぶん暑さが感じられるが、秋の本格的な訪れもすぐそこだ。ふたつの運動会と衆院選、そして一年間の学位取得プログラムの始まりと、10月も慌しく過ぎていきそうだ。おそらくあまりネガティヴなことを考えている時間もないだろうと思う。

 

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今年最大の勝負として、4046 大阪ソーダを100万円分ほど買う。もうこれは100%上がると踏んだためである。ベストシナリオとしては、カーボンナノチューブで飯島澄男氏が今年のノーベル物理学賞→EV用のリチウム電池需要による、カーボンナノチューブ需要が急拡大、というような流れだろうか。この流れだったら、間違いなく株価は上に突き抜けるだろう。うまく化けてくれたらジョンロブの内羽根でも買おう。

 

しかしながら、半導体やら素材やらのビジネスは、大枠の話はわかっても、サイエンス的にどうすごいのかというのが実感できないのが文系出身の悲しいところである。ここに関しては、高校時代にまったくマトモに勉強しなかったことが悔やまれる部分である。バイオ系のベンチャーキャピタルの人に、「うちはサイエンス出身の人じゃなくても大丈夫ですよ」と言われたことがあるけれど、そりゃわかったようが絶対いいよなあと思う。

 

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外資系、もっと言えば外資系ヘルスケアのファイナンスというのは、なかなかおいしい、というか既得権益めいたところがあって、労働負荷に対する報酬で言えば相当に高い部類に属する。だいたい大手のCFOクラスだと、報酬も最低で2,000~3,000万円クラスで、まあ一般的に言えばまず申し分ないレヴェルである。もちろんスタッフ・マネージャクラスの報酬も高いので、みんななかなか転職しない。

 

一方で最近気になるのは、いわゆる外資系のファイナンスだと、まず経験できない分野の仕事があることである。典型的なのが資金調達関連業務で、外資系の会社で日本オフィスにこの権限を持たせているところはほぼ存在しない。一方で、ベンチャーなんかだと、この部分がうまく回せないと会社が潰れてしまうので、嫌でも向き合わなければならない。たぶん税務やIRなんかについても、平均的には、外資CFOの経験者よりはベンチャーCFO経験者のほうが経験値は高いだろう。が、後者のほうが報酬水準は絶対的に低い。

 

このあたりは自分のキャリアとしても非常に悩むところで、単純に言ってしまえば、目の前の報酬の高さを目指すのか、それとも人材としての完成とIPOの夢を追うのかという二択になるわけである。もちろん、双方にpros and consがあり、簡単に答えが出るような問題ではない。まあこのあたりは1年間ビジネススクールに通いながらゆっくり考えたいところである。

 

ちなみに、読者に以下の単語の意味をすべて理解できる人はいるだろうか。たぶん理解できるのは、外資系のファイナンスで業務経験がある人くらいではないかと思う。

 

True-up, Go-to-Market, Fire drill

 

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これからファイナンスと英語の勉強。いつになったらゆっくり哲学書が読めるのだろう。四季報アリストテレスを並べて読んでいる人というのは、正直僕もあまりイメージができないのだが、自分自身がそうであるというのはなかなか滑稽である。