雨に唄う

けっこう雨は好きなほうなのだが、週末にこれだけ雨が続くとさすがに気が滅入る。自分だけだったら別にそんなに気にもならないのだろうけれど、子どもたちを外に出してあげられないのはやはり辛い。昼間にある程度散歩や公園遊びをさせておかないと、夜の寝つきが絶望的に悪くなるからである。それに、天気が悪いと、家の片付けなんかもあまり効率よく進まない。あれはやはり気圧の関係なのだろうか。

 

☆☆☆

 

雨とはいえ、なんとか次女を歩かせなければならないので、家の最寄り駅周りのビル内をぐるぐると一緒に回る。その後は、絵本を読ませるためにTSUTATAに寄る。駅の周りは人もまばらだったのに、なぜかここだけはコーヒーを片手に読書を楽しむ人でにぎわっていた。中ではビリー・ホリデイの古いレコードが小さなボリュームで流れており、その気だるさが外の雨と調和して、なんだかそこだけがどこか別の国の知らない場所のようだった。しかしながら、自分の音楽が21世紀の日本で空間演出的な使われ方をするなんて、当のビリーには想像もできなかったのではないか。果たしてそれは彼女の音楽への正しい向き合い方なのだろうか。

 

☆☆☆

 

渋谷にシンフォニック・ゲーマーズというゲーム音楽のオケを聴きに行く。天下のde-facto国営放送様が出資しているので、演出は例によって無駄に豪華なのだが、その一部が僕の上納金でまかなわれていると思うとなかなか複雑である。ともあれ、席もいちばん前のほうだったので、コントラバスの音が体の中のほうまで聴こえてとても気持ちがよかった。FFとロックマンのところで、「ああ、僕も昔はゲームバカだったなあ」などと思い出していたら、何度か涙腺に刺激を感じてしまう。演奏する側のサービスなのだろう、例の「おっくせんまん」はコーラスが2回繰り返されていた。テレビでの放映は確か11月12日との由。

 

☆☆☆

 

ビジネススクール予備校時代の同期が、PEファームに入社していたことを知る。だいたいMBAを取得した人だと、それぞれなかなかエッジの利いた仕事に就くことが多いのだが、身近でPEに行った人はいなかったので、これはなかなか驚いた。その他、僕の行く学校の先輩も、世界的プロフェッショナルファーム(MBB)にいる人やら、自分でビジネスを立ち上げている人がやら多く、正直なかなかプレッシャーを感じているところである。もう一人の僕は、「いやいや、お前はお前のやるべきこと・やりたいことに集中しろ」と僕に言ってくるのだが、それでもピアプレッシャーを感じてしまうのは人間の性である。とはいえ、ここまでの人生で死ぬほど「他者の欲望」に悩まされてきたのだ。35歳というのは、それと決別するにはとてもいいタイミングだと思う。

 

それに絡んだテーマで、ColumbiaでMBAを取得した方のブログに、とても勇気づけられる言葉が書かれていたので、以下に記しておく。Leadershipの授業からの抜粋とのこと。

 

  • Anchor yourself in your values and purpose
  • Harness your emotions and thoughts in the service your your values (ママ)
  • Kindle a flame of love that expands your sense of self
  • Continually awaken more of your Higher Self
  • Cultivate your inner core - a state of pure consciousness beyond your thoughts, emotions and actions

 

なんかもう泣きそうになる。日本の学校でこんなこと教えてくれるところあるのかしらん。まあこういう言葉が染みるようになるのは、現実社会でのしがらみを覚えてからだろうなあ。少しずつでもいい、なんとか進もう、と思う。