ズルい大人になれなくて

一週間が終わった。今週はもう少し仕事がハードだと思っていたのだが、嵐の前の静けさという感じで、そう大きな混乱はこれまで発生していない。肝はいわゆるASC 606の導入で、会計基準の変更としては10年に一度の規模といわれるほど大きなものなのだが、影響範囲が広すぎて、これから何が発生するのか今でもよくわからない。まあ淡々とやっていくしかないのだろう。それにしても、おそらく最も混乱するであろう2月の頭に、一時的ではあれ、業務を離れなければならないのは懸念である。まあなるようにしかならないのだろうが。

 

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上司からのレビューセッションで、お客様との交渉での不備を指摘され、「お前はもっと腹黒くならなければダメだ。じゃないと会社を守れない」と言われる。要するに、抜け目のなさが足りないという意味なのだろう。なんだか深く考えさせられてしまった。「悪いヤツほど出世する」というのはちょっと言いすぎとしても、バカ正直であることが推奨される環境ではないのだ、僕が生きている世界は。ゲゼルシャフトというのは、いわゆる人権だとか、平等だとかの19世紀的な「べき論」が通用するような世界ではないのである。

 

とはいったものの、たぶん僕は根がけっこう正直者なので、腹黒くなれるかというとあまり自信がない。この言葉は、おそらく「もっと戦略的になれ」と解釈すればいいのではないか…まあそう考えておくことにしよう。

 

それにしても、今後MBAが終わったら、「計算の苦手な会計士」に加えて、「交渉の苦手なMBA」が誕生してしまうことになる。まあそうならないように、できるところから努力を始めてみよう…どうすればいいのだ?プラトンの『対話篇』でも読めばいいのか?

 

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学校のクラスでFacebookのグループを作ることになったので、やむなくまたアカウントを作ることに。一応学級委員なので、これくらいは仕方ない。まあ英語でやりとりしている分には、言葉の直接性というか、内面化される程度は、日本語に比べてはるかに低いので、あまり毒にもならないのではないかと思う。

 

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インフルエンザの流行で、長女のクラスが2日間の学級閉鎖となる。東京の学校は毎年学級閉鎖になるのだろうか。仕方ないので、妻と僕とで一日ずつ休んで対応する(会議なんかは電話で出ているので、実質的には自宅勤務)。よくある話なのだろうが、この話を上司に相談したときも、明らかに否定的な反応の色が見えて、若干辛かった。こういうところの意識から変えていかないと、子育てなんか絶対にしやすくならないし、出生率も上がらないよなあと考えさせられる。

 

こういう環境にいると、もう少しマクロな話、例えば、子育て・子ども関係の政策なんかについても、否が応でも関心を持たざるを得なくなってしまう。まあ大人になったということなのだろう。あとは地域包括ケアか。20代の頃は自己の実存が自分の主要な問題系だったことを考えると、ずいぶん遠くまで来てしまったなという気がする。