青春への挽歌たち

少し間が空いてしまった。書こう書こうとは思っているのだが、それ以上に優先すべき事項が毎日出てくるので、必然的にこの極めて個人的な行為は後回しにならざるを得ない。週に一度程度の更新でも、それなりの数の人がこのスペースを訪れてくれているのは喜ばしいのだが、こちらとしては内容・面白みのあるコンテンツを定期的に届けられていないのが若干心苦しくはある。まあもちろんそんなにシリアスなものではないのだが。

 

☆☆☆

 

高校時代のバンド仲間と久しぶりに――たぶん7年ぶりくらいに――横浜で集まる。が、笑ってしまうほどに男同士の人間関係というのは変わらない。もう18年くらい一緒に音を鳴らしていないのに、「あの曲のCメロのところもう少しアレンジしたいよね」とか平気で言ってたりするし、いまだにコージー・パウエルが現役の話題として出てきたりする。我ながらにこれはちょっとしたものだなあと思う。一人でいると、17歳のころの自分のことはまるで他人のように感じられるのに、彼らと話していると、バンドを4つも5つもかけもちしていた頃のことがずいぶん近しく感じられる。タバコ臭いスタジオ、伸ばしっぱなしの弦、ルーズソックス、そして好きだった女の子…。世界は今の僕が暮らしているそれよりも、もっとずっと単純だった。ロックンロールで世界は良くなるんだと、頑なに信じていたのだ。

 

食事を済ませた後、当時の音楽を大音量で流しながら16号を走る。ZARDDEENTMNリンドバーグB’z、森高、GLAY、Globe…「恋心」を聴きながら、湾岸の遠くのほうにともる灯を見ていたら、二度と還らない日々の遠さと重さを感じて泣きそうになってしまった。僕はこれまでどれだけのものを失ってきたのだろうと。これらは僕にとっての青春の挽歌なのだなと思った。

 

ひとしきり感情の波が過ぎ去ってしまうと、またいつもの平凡な孤独がやってきた。僕は地方都市に住んでいる高校生ではなく、大都会のただなかで歯車を回す会社員だった。

 

☆☆☆

 

Youtube上にアップされている「群青日和」のコメント欄を見ていると、あまりにも変態コメントで満たされており、一種の清々しささえ感じてしまう。まあそれくらいこのMVの椎名林檎が魅力的なのは否定できないけれども。同じような文脈だと、Jason Mrazの”Butterfly”のコメント欄も相当変態度が高かったような気がする。「ここの欄は、お前らのGoogleの検索履歴よりエロいぜ」というコメントを見て笑った記憶がある。

 

☆☆☆ 

 

学校の夏休みまであと一ヶ月。とはいっても、7月からは例年どおり年間予算の作成があるので、仕事が若干バタつきそうではある。今月の後半からは転職活動も行わねばならない。僕は自分に言い聞かせる。このゲームが正しいかどうかはわからなくとも、ここで戦う以上はボールを回し続けなければならないのだと。今年の夏はどのような季節として記憶されるのだろう。