アンパンマンの憂鬱

月曜日の未明に戦略論のレポートを提出し、プログラムの70%が正式に終了した。それからすでに3日経つのだが、あまりに疲れてしまっているのか、仕事以外の活動にあまり身が入らない状態が続いている。まあ無理もない、この6ヶ月間、ずっと界王拳4倍みたいなペースで走ってきたのだ。ちょっと違った言い方をするなら、正月からここまではずっと自分の領域を「広げる」ことをしてきたわけである。この一ヶ月は方向性を変え、過去の6ヶ月で習得した知識の整理をするとともに、的を絞って今後のための活動を行っていきたい。

 

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8月いっぱいは妻が集中して学習をしたいとのことなので、週末の子守り主担当として、娘二人をアンパンマンミュージアムに連れていく。灼熱のみなとみらいは、何もかもがアナザー・ワールドであった。まずは、大人も子どもも入館料が1,500円で変わらない。これだけでも驚いてしまうのだが、親は必ず入館しなければならないということで、買い手の交渉力ゼロなので、この価格設定は実は非常に理にかなっている。そして、子ども用おにぎりが190円と、食品も局地的にひどくインフレしている。もっとも、こちらについては近隣にコンビニやファミレスがあるので、それほど競争力があるようには思えないのだが、見たところ軒並み稼働率は100%超えている様子であった。アンパンマン・ブランドとはそれほどまでに協力なのだろうか。

 

で、アンパンマンの話をぼーっと見ていると、「この男に葛藤はないのだろうか」という疑問が頭から離れなくなってくる。もし僕がアンパンマンだったら、「僕はほんとうに正義なのだろうか?実は僕の中にもバイキンマン的なものが含まれているのではないか?僕が正義を名乗れるのは、バイキンという相対的な悪によって支えられているだけではないのか?」とか、ヘーゲルの奴隷と主人みたいなことを考えてしまいそうだからである。実際、このアニメの主題歌は極めて実存的なテーマを扱っており、そういう意味では、アンパンマンは影の要素を多分に含んでいると思われる。その一方で、ヒーローとして振舞う彼は、そうした苦悩や葛藤を一切表に出すことはない。そう思うと、けっこうこの男はハードボイルド系なのかもなあと思った。やなせたかし一流の美学なのだろうか。

 

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転職活動の話。久しぶりに正式な面接を受けてきた。昔はわからなかったのだが、いわゆるbehavioral questionというのは本当に怖いところがあって、職業人としての経験がどの程度かはすぐにバレてしまう。というわけで、けっこういろいろ突っ込みも受けたのだが、厳しいコメントがありつつも、面接官の人のやさしさが痛いほど伝わってきてしまって、なんだかほだされてしまった。人としての根底にあるやさしさみたいなものも、態度や話し方に自ずと出てくるものだし、やさしさと色気は深いところで通低しているのだろうなあと思った。

 

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おそらく多くの会社もそうなのだと思うが、GDPRの実務への影響が少しずつ出始めている。グローバル展開している製薬会社は、当然EU地域の被験者情報を多く抱えているので、それらの情報に関する取扱いを契約書等々に盛りこまなればならず、これまでより契約書作成やその確認作業に時間をとらなければならない。まあ主担当は当然法務なので、僕が直接的に文書を改定したりすることはまずないのだが、文書起案に時間がかかるのは困ったものである。

 

欧州初のこのルール改定は、当然アメリカのIT企業に対する宣戦布告という意味合いが強いのだろうが、どうも実務レベルのことを考えると、とりわけ中小企業での運用には相当な無理があるような気がする。人権宣言しかり、どうもヨーロッパは理念や理想をベースにルールを作ってしまうところがあって、後で現実との矛盾が顕在化してくるというケースが多いように思うが、今回も将来的に同じようなことになるのではないかという気がする。

 

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向こう一週間でやること。

  •  面接対策(ICレコーダーと向き合って、デリバリを最適化する)
  • デザインの勉強(パワポ強化)
  • 『ニコマコス倫理学』読む(ようやく読める…)
  • 筋トレ