アメリカへ

­­­久しぶりに成田空港に来たら、施設の老朽化がずいぶんと目についた。ここ最近は羽田しか使っていなかったので、必然的にそちらが基準になってしまうのは、むべなるかなというところである。古くなってきたのは無理もない、中森明菜が「北ウイング」を歌っていたころからもう30年以上も経っているのだ。そんなことをぼーっと考えつつ、久しぶりにアメリカへ向かう。新しい会社に入って、初めての出張である。かの地に最後に行ったのはもう4~5年も前なので、それなりに久しぶりということになるのだが、アメリカ文化のものはそこらじゅうにあふれているし、英語は毎日イヤというほど触れているので、特別な感傷を感じるということもない。悲しいかな、「海外に行く」という行為そのものに意味があったような年代を僕はとうに過ぎてしまったのだ。事実、この一週間にについて、高揚感のようなものはほぼない。家を不在にすることの懸念のほうがずっと大きいのである。一人で小さい子二人の世話をしながら、仕事と家事をこなさなければならないことの大変さを、僕自身が身をもって知っているからだろう。しかしながら、こう思ってしまうのは、家庭人としてはあるべき姿なのかもしれないが、男性として魅力的かというと、これはなんとも言えないものがあるな…というのが正直なところである。

 

ともあれ、久しぶりにこの一週間は本当に久しぶりに思う存分仕事ができる。子どもの寝る時間に気を配る必要もないし、会議の数も通常の週よりずっと少ない。ここ最近できていなかった、「ゆっくりものを考える」チャンスも、1日くらいはありそうである。おそらくこの1週間は、今回に加えて、1~2本くらいは新しい記事をアップできるのではないかと思う。つかの間の自由、と呼んでもいいかもしれない。