英字新聞はどれを読めばいいのか

英語の/による学習や情報収集のために、何を読んだらいいのかということを時々訊かれるのだけど、これの質問に正直に答えると「何でもいいんじゃない?」ということになってしまう。だいたいそういう質問をする人は、どの媒体が云々とかいう話以前に、根本的な学習量が不足している場合が多いからである。とはいえ、それだけだと実もフタもなくなってしまうし、僕自身、最近また定期購読する媒体を選んでいるところでもあるので、英語のクオリティ・ペーパーについて整理したものを以下に記す(個人的な偏見が多分に混じっているので注意されたい)。

 

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いきなり結論から入ってしまうと、とりあえずEconomistを読んでおけばOKということになってしまう。記事がカバーしているジャンルも広いし、掲示板での議論も非常に活発で面白い。ビジネス関係でも、「Economistさえ読んどけば、とりあえずセーフ」というような感じさえある。問題は、英文が硬く晦渋なので、長く読んでいるとどうにも疲れてしまうことである。お金を払って読む価値のあるものだとは思うけれど、ちょっと毎日読むと胃がもたれてくるようなところがある。それと、EconomistによるMBAランキングには相当の瑕疵があるような気がする。

 

価格に着目すると、まず目を引くのがTimeの安さである。一ヶ月500円でプリント版も着いてくるので、これはまあ相当安い。たぶん月4回送られてくるのだろうが、問題はとてもそんな量は読みきれないということである。業務が多忙になってくると、英字紙を読むどころか、天気予報とyahooニュースしか見ないという情けない状態にすぐなってしまうくらいなので、ちょっとそんなに宅配されても辛いんではないかという気がする。そもそもタイムリーに受け取れるのかさえ怪しい。

 

もう少し価格を見てみると、JTと日経の値段の高さが目立つ。この高さの理由はよくわからないのだけれど、まあ一度ダンピングをしてしまったら、もう顧客はお金を払ってくれなくなるだろうから、価格戦略としては概ね正しいのではないかという気がする。ちなみに、Japan timesについては、僕は毎週日曜日に発行されるJapan times on Sundayが好きなのだけれど、最近あまり置いている店がなく残念である。STはよく見るのだけれど、このあたりは日本人の平均的な英語能力を反映しているのだろう。

 

ちなみに、日・英に加えて、フランス語の高級紙もL’ObsだとかL’Expressだとかいろいろあって面白いのだけれど、日本で仕事をしているととてもそこまで読んではいられない。このあたりは日常的にフランスに関わる、あるいはフランス語を使用している人でないと、なかなか手が回らないだろう。僕は哲学の世界では、ほぼ100%大陸式で育ったけれど、ジャーナリズムについては最近英米系一辺倒である。どちらがいいとかいう話ではないのだが。

 

しかしながら、ここ20年くらいで、人類の目にかかる負担というのはとんでもなく大きくなっているのではないか。人間はせっかく5種類も感覚があるのに、なぜ目への負担だけが突出して大きくなってしまっているのだろう?効率性を追い求めた結果なのだろうか。個人的には鼻あたりにもう少しがんばってほしいと思うのだが。

 

少し話が脱線したが、まとめると、日本人の国際志向ビジネスパーソンであれば、日経+Economistが王道なのではないかと思う。ただし、ランニングコストが月々7,500円くらいかかってしまうので、ROIを重視するようであれば、日経+Timeというのもいいかもしれない。