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相変わらずとバタバタとした日が続き、あまり自分のことを深く省みる余裕もないのだが、備忘がてらにここ一週間ほど何をしていたのかを記しておく。

 

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先週末は、進学するビジネススクールの懇親会に参加。会場は夏と同じ都心の外資系ホテル。参加していたのは全部で15人ほどだった。いちおう新入生代表として簡単に挨拶をする。ワインを飲んでいると、20年くらい前にこの学校を卒業したというコロンビア人のバンカーから、「俺、実はライターなんだ」と著書を手渡される。いやはや、いろんな生き方があるなあ。また、一年先輩にあたる女の子からは、「えー、スマホ持ってないの?」と驚かれる。確かに、ここから3ヶ月くらいで海外の友人が30人くらいは増えるだろうから、ガラケーでは若干心もとない。いわく、「スペイン行くまでにスマホ買って、FacebookInstagramとWhatsAppのアカウント作っといてね」とのこと。けっこうな手間である。SNSやりたくないなあ…。

 

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月曜。午後に内視鏡検査を控えていたので、午前中は家で黙々と下剤を飲む。そんなに不味いわけではないのだが、1.5リットルというのはやはりなかなかヘビーである。ともあれ、しかるべき量を飲むと、しかるべき量のお通じが出るので、やはり体というのは優れたシステムだなと感心する。

 

午後は検査を受けに病院に行く。それなりに怯えていたし、「ああ、ワタシの操が…」とかバカなことを考えてもいたのだが、なかなか素敵な助手のお姉さんに鎮痛剤を打たれたら、ほぼ全身麻酔状態ですっかり眠くなってしまい、気がついたら検査は終わっていた。「なにも見つからなかったです。きれいな腸ですね」とのこと。まあ何事もなくてなによりである。ボーっとした頭を抱えながら、そのままスマホを買いに行った。

 

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毎日毎日キャリアのことばかり考えているからなのか、ここ2週間ほどリクルーターからやたらと勧誘メールがくる。アメリカの景気が過熱気味ということもあり、各社かなりアグレッシブに採用をしたい時期なのだろう。とはいっても、Linkedin経由で打診があるのは、ほぼ即戦力求人のみであり、そういう意味で僕にとってうまみのある話というのはほとんどない。給与が多少上がったところで、これまでと同じことをするのであれば、キャリア上の資産はほとんど増えないからである。まあいい、とにかくゆっくり悩むことにしよう。

 

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というわけでさきほど36歳になった。36歳――なんだか中途半端な年齢だ。正直あまりこの年齢にこだわりはない。おそらくこの1年は、時間的にも金銭的にも、人生で最も大きな投資をする一年になるだろう。そうして培ったものが、37歳で大きく花開けばいい――そんなことを考えている。ずいぶんと騒がしい一年になりそうだ。

 

ちなみになぜ37歳のほうが好きかというと、素数であるということと、『国境の南、太陽の西』の主人公が37歳であるからというのがその理由ではないかという気がする。「年齢は素数に限る」なんて聞いたことはないけど、素数の年齢ってなぜか少しセクシーに感じるのは僕だけだろうか。