さらば大崎図書館

例によって特にめくるめくような出来事もないのだが、ここ数日のことを記しておく。

 

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成人の日は例年どおり出勤であった。オフィスの外は雅な女の子がたくさん歩いているし、なんといっても祝日だったので、3時間くらいでささっと済ませて帰宅しようと思っていたのだが、大トラブル発生で、結局午前1時までオフィスに残ることになってしまった。午後7時にはエアコンも止まってしまったので、誰もいないオフィスで一人コートを着てひたすらPCと格闘、という散々な一日であった。帰りのタクシーで運転手の人にこの話をしたらちょっと同情してくれた。

 

ちなみに、だいたいこういう泥沼残業時は音楽をかけながら仕事をすることが多い。この日は90年代のポップス――ジュディマリとか、マイラバとか――を聴いていた。23:30の誰もいない祝日のオフィスで「白いカイト」なんかを聴いていると、いい感じに絶望できるので、メンタルに自信のある人はぜひ試してみてください。

 

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僕のお気に入りの場所のひとつである大崎図書館がいよいよ今年の3月で移転となるようである。前の職場からも、現在の自宅からも近いということで、本当にお世話になった場所であるだけに、やはり残念ではある。小さい子どもを連れていける数少ない場所ということもあり、ほぼ毎週末と言っていいほど通っていたような気がする。もしかしたら人生で一番行った回数の多い図書館かもしれない。区議会でもいろいろ議論があったようだし、例によって共産党系の議員の人たちは反対だったようだけれど、大崎エリアについては御殿山側方面の開発が急ピッチで進んでいるので、図書館をそちら方面に移設するというのはある程度妥当な判断だと思う。それにしても、書店はどんどん閉店になり、図書館も移設してしまうということで、紙の本にかかわる機会が急速に日常の生活から失われてしまっている気がする。残念ながら、ずらっと並んだ本に囲まれたときの幸福感は、Kindleには求めようもない。

 

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今週からまた学校が始まる。ここから半年くらいはほぼ休みなしで講義が続くので、それ以外に割ける時間は著しく減少するだろう。仕方のないことなのだが、そうなるとやはり、それ以外の自己啓発を行う時間はほぼなくなってしまう。言ってみれば「男磨き」の時間が宿命的に削られるということだ。例えばそれは、アリストテレスを読む時間であったり、中国語を勉強する時間であったり、会社設立の準備をする時間であったり、筋トレをする時間であったり、ホールトーンスケールの運指を練習する時間なんかのことである。おおまかな時間軸としては、MBAが終わってから、37~40歳くらいでこのあたりをまとめて一から鍛えなおしたいなあと思っている。たしかルービンシュタインにも隠遁生活をして一心不乱に技術を磨いた時期があったはずだ。次の学位が得られたら、僕にもそんな時間がくればいいなあと思う。中学校受験のサポートにどれくらいの労力がかかるのかというのは、まったくわかっていないのだが、まあそれは別の話である。時間、どっかに売ってないかなあ。