タフネゴシエーターへの道

ずいぶん久しぶりの投稿である。今年は年明けからずっとそうなのだが、また忙殺されており、筆を執ろうという気にどうしてもなれなかった。シンガポールにいる間であれば、とりあえず家事の負担は減るので、少し時間がとれるかなあと期待していたのだが、結局宿題とソーシャル(飲みともいう)で隙間のほとんどが埋まってしまい、自分を省みるような余裕も時間もほとんど確保できなかった。ようやく身の回りのことの申し訳程度の整理が終わり、ここ10日ほどのことを思い出しながらキーボードを叩いている。

 

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今回の集中講義のテーマはネゴシエーションであった。交渉の理論的な枠組みの解説から始まり、交渉のロールプレイを行った上で、相手へのフィードバックを行うという流れで講義は進められた。元々自分ではわかっていたのだが、やはり自分の交渉下手さが白日にさらされたという感じで、ロールプレイでは3連敗であった。まあ元来向いていないところに、さらに英語のハンデが加わるので、まあ結果自体はむべなるかなという感じである。返ってきたフィードバックには、「アイコンタクトができていない」、「問題の核心にすぐに入ろうとしない」、「交渉の全体像の構造化ができていない」などというものがあった。わかってるよ、と思いつつ、「ハア…」と落ち込んでしまうところではあるのだが、35年以上も、農耕民族的に「あいまいな私」を生きてきたわけだから、まあ仕方のないところなのかもしれない。そはいえ、これらのフィードバックも含めて、学ぶところの非常に多かった講義で、これは受ける価値のあるものだったなと思った。例えば、「相手のファースト・オファーは原則的に受けてはいけない」なんていうことは、僕はこれまでの人生で考えたこともなかった。もし10月からのポジションの給与交渉が、この講義を受けたあとだったら、もう少し僕のサラリーには色がついていた…かもしれない。

 

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なぜか9月に入ってこのブログのトラフィックがずいぶん増加しており、平均閲覧数が1日70~80という状態になっている。まあ見てくれる人がいるというのは喜ばしいことではあるのだが、特に読んで誰が得するわけでもないこの独白に、どのような社会的価値や需要があるのかというのは甚だ疑問である。まあ「30代後半の男性が、複数の社会的ペルソナを演じてヘロヘロになりつつも、なんとかもがいて生きていく話」としてはなかなか面白く読めるかもしれない。例によってどうでもいい話ではあるのだが。

 

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というわけで、MBAライフは最後の3ヶ月に入る。その間に、現職の有給休暇消化なしで転職をするという、どう見てもクレイジーなスケジュールだが、すでに賽は投げられている。やるしかないのだ。年末にすべてが片付いたら、ゆっくりコーヒーを飲みながら、スラムダンクの全集を読むというのが、今現在の僕のささやかな夢である。