神様がくれた時間

急成長企業に勤めることの代償ともいえる、ジェットコースターのような日々にようやく休息が訪れた。今週は社長以下のマネジメント陣が全員海の向こうに行っているので、一週間ゆっくりと自分の仕事ができる。ついこの間10連休があったとは思えないくらいに疲労困憊だったので、これは大変にうれしい。正直、一人でゆっくり仕事ができるというのは、下手な休日もずっと休めるし、ファイルの整理やら、受けられていなかった研修とか、普段なかなかできないことをまとめて片付けられるので、自分の生産性に与えるインパクトも大きい。これは普段の仕事が慌ただしいこともあるけれど、それ以上に、子持ちの宿命として週末まったく休めていないのが理由である。もう後半というか、いわゆる「子育て」という時期は8合目くらいまで来たとは思うけれど、依然拘束時間が長い状態は続いているし、やはり手もかかるので、週末の稼働率はおそらく7割を超えている。ともあれ、僕にとっては、一か月遅くやってきた「黄金週間」である。いわば、「神様がくれた時間」だ。無神論者にだって、神様はちゃんといるのである。僕のちっぽけな実存を支えてくれる、大切な大切な、時間の供給者として。

 

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前述のとおり、今週は少し時間がとれるので、ずっと棚上げになっていたSQLの練習を集中的に行う。まあ基礎的な内容なので、2~3日集中的に取り組めば大丈夫だと思う。おそらくこれで、分析の切り口が一気に広げられるはずだ。そのことは当然、戦略策定という業務においてクリティカルな要素になる。僕のいる会社では、「どんなポジションであれ、SQLを自分で書けないやつ、自分のビジネスのデータを自分で分析できない奴はダメ」という暗黙のルールがあるので、「早く人間になりたい」僕にとっては、いわばこの一週間は自動車学校に通うようなものなのである。というわけで、37歳にもなって、一人会議室に籠って、基礎構文を何度も書いて覚える。我ながらなかなか滑稽だが、この年齢で新しく学べることがあるというは、幸せなことだなと思う。実際には学ばなければならないことだらけなのだが…。

 

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ほとんど旅行ができなかった昨年の反動だろうか、今年はいつになく家族で出かけることが多い。個人的なKPIとして、「23区以外の自然スポットに子どもを18回以上連れていく」という目標を年初に設定したこともあって、コンスタントに月1、2回はそれなりに緑のあるところに足を運んでいる。当たり前かもしれないのだけれど、そういうところに行くと、不思議と疲れをあまり感じなくなるし、子どもたちも大抵の場合は喜んでくれる。別にそれについての分析やら考察をするつもりではないけれど、これはやはり人間として――というより都会に住むものとして――必須だと思うので、今後も続けていきたい。ちなみに、夏は長女の地理学習も兼ねて、北海道と三重に行こうと思っている。

 

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というわけで、これからSQLと英語を勉強し、戦略の本を読み、株を買って寝る。結局やることはあまり変わっていない。時間は多少できたが、思想書を読むにはまだ少し時間が足りなすぎるかな、と思う。