Summer Sunshine

時間ができたので少し書く。そう思えるのは、おそらく晴れ間が戻ってきたためだ。今年は梅雨が長く、熱海で目を覆うような災害があったこともあって、昨日までなんとなく気が乗らなかった。東アジア特有の、このじめっとした暑さが感じられると、「そうそう、これこれ」というような、何とも言えない高揚感がある。例によってほとんどの時間は自宅で内向的な暮らしを送っているのだが。

 

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ビジネススクール時代の唯一の日本人同級生が、某東証一部上場企業に執行役員として転職していたことを知る。確かにきらびやかなキャリアを持った人ではあるけれども、日系の会社(それも、けっこうな歴史のある会社)にボードメンバーとして30代で迎えられるというのは、これまで聞いたことがなかったので、僕としても新鮮な驚きであったし、けっこうな刺激になった。同時に、自分の周りでもいよいよキャリアがそのレベルにまで達する人間が出てきたのだなという、妙な感慨のようなものもあった。雑な感想ではあるが、うーんこれは僕も負けてはいられないな、というところである。一方で、いかに日経新聞に彼の記事が載っていようとも、彼が吉原での遊び方をかの異国で熱っぽく語っていたことを僕はよく知っている。

 

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仕事が少し落ち着いたからだろうか、久しぶりに旧い恋のことを思い出して、ここ一週間ほど胸の痛みが続いている。40も目前に迫って、こんな鈍い痛みを抱えながら生きている人というのは、世間的にもけっこう珍しいのではないか。歳は重ねているけれども、僕は少しは人間として成熟のほうに近づいているのだろうか、と思う。収入は多少増えたし、ビジネスタイトルも少し仰々しくなったけれども、僕は相変わらず、熱いコーヒーを飲みながらPCを叩いて暮らし続けている。そこに崇高さや何かしらの超越的な意味を見出すこともなく。

 

生きねば、と思う。おそらくそうした芯の強さのようなものがなければ、これからやってくる40代の波を乗りこなしていくことは難しいだろう。そのために、僕はまたおそらく能う限りの努力をしなければいけないのだろう――おそらくはこれまでとは異なる仕方で。

 

☆☆☆

 

CorrsのSummer Sunshineの中に"In coffee city"という歌詞があるけれども、あれはシアトルのことなのだろうか。自分の中では15年以上に渡って解決されていない問題のひとつである。