そこそこ長い文を書くのは本当に久しぶりになる。今年の冬休みは13日間と、例年に比べても長めの休暇だったのだけれど、諸々の雑事+子どもの勉強フォローで、予想していたよりもずいぶん忙しく、気がついたら終わってしまっていたというのが偽りなき実感である。一方で、一度仕事が始まってしまうと、必然的にタスクの嵐になり、先週も終了が26時以降になってしまった日がすでに3回あった。まあもうそういうものだと諦めてはいるけれど、改めてタフな仕事だなと思う。
年一回目のポストなので、本来であれば今年の目標などを書くのが適切なのだろうが、プライベート・仕事とも繁忙期が続いている感じで、落ち着いて長期のことをあまり考えられていないというのが正直なところである。とりあえず目の前にあるものとしては、子どもに受験を首尾よく終えてもらい、僕は来年に昇進+海外トランスファーが実現できるよう、ひとつひとつステップを踏んでいきたい。少なくもそれらは、今の僕にとってはずいぶんと現実的かつ妥当なターゲットであるように思われる――いささか視点が低いとのそしりを受ける可能性はあるにせよ。
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新しくフランス語の辞書を買った。Robertやらの研究者向けのものではなく、学部の頃に使っていたPetit Royalの2020年度版である。最近使用されるようになった新つづりに対応しているのが現状この辞書のみというのが表向きの理由だが、実際にはもっと直感的なもので、ただ単に「新しく辞書が買いたかった」だけというのが主たる理由である。歳を重ねたからだろうか、この頃無性に辞書という存在に心が惹かれる。もちろん、電子辞書ではなくて紙のものだ。世界を表象するする言語――それはある意味では世界そのものだ――を両の手でめくるという行為が、いかに贅沢な行為であるのかを理解するのに、僕は40年の年月を要した。4,000円で買うことのできる僕だけのアジール。株取引をしていると手数料に消えてしまうようなささやかな金額だけれども、辞書を買うという行為に付属する金額として考えると、なにかそこには重さのようなものが感じられる。社会人として学習を続けるというコミットメントのようなものがそこに付属しているからだろう。ともあれ、悪くない投資だと思う。