切なさの暴力

相変わらずバタバタしており――というクリシェがまさにここ10年くらいを総括しているのだが――、1か月近くここに記事を上げられていなかった。というわけで、最近あったことをつらつらと書いておく。

 

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会社のトップ、要するにCEOが来日した。それにあたり、彼が日本のお客様の偉い人々と話すための資料づくりを延々と行う。重要な仕事には間違いけれども、雑用としての側面が非常に強いのでモチベ―ションはやや微妙だったのだが、結果的に関係者一同を満足させられるアウトプットができたのは僥倖だった。僕がアウトプットした文章(お客様ごとにワード一枚くらい)をUSのCEO Officeに送ると、どの文書もびっしりと修正が入っていたので、アメリカ人(のエリート)がどういう単語・文を好むかということを学習するという点ではまたとない機会だったと思う。こんなライティングのコースなんかがあったら相当な値段になるだろうし、そもそもCEO向けの文書なんてそうそう触れられるものではないからだ。

 

ちなみに従業員向けの講演で、彼が「成功の秘訣は?」という問いに対して印象的なことを言っていたので、備忘がてらメモしておく。

 

“Being prepared for change; surrounded by good people; make sure you are growing; learn from experience - eventually interesting things will happen.”

 

そういうふうに生きていけるといいなと思った。

 

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上記の社長メッセージに影響されたからではないのだが、ちょっとフランス語学習のペースを速め、11月の頭に試験を受けることにした。うまくいくかどうかは正直わからないけれど、期限は早めに設定してしまったほうが物事は早く進みやすいというのは、僕が人生の中で得たひとつの真実ではある。問題は試験会場で、申し込もうと思った9月下旬にはすでに東京・横浜の会場はすべて埋まってしまっており、結局半日ほどの試験を受けに京都まで行くことになった。それに輪をかけて間抜けなのは、当該週の前半には大阪への出張が入っており、1週間に2回も関西まで出向く必要があるということである。まあよい機会なので、試験が終わったら下鴨神社あたりで旅情に浸ってこようと思う。

※追記:この話、よく見たら前回のエントリにも記載があった。

 

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この曲を最近始めて知ったのだが、MVの出来が良すぎて辛い。1:50あたりからの、女の子が好きな人にしか見せない顔(たぶん)を見ていると、自分の人生からそういう時間はすでに去ってしまったことを否が応にも痛感させられる。切なさの暴力。エンディングの男の子の顔もいい――僕も同じようにいくつもの痛みを耐えてきた。けれども、このMVに刻まれていることは、おそらく社会的な文脈では20代の特権であり、40代という地点から見るこの景色はただのノスタルジーでしかない。その点で、この映像は二重の痛みを喚起する。過去からの痛み、そして自分がそこにいないという現在の痛みを。

 

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