モオパスサン

先々週にまた偉い人が日本に来てたくさんの宿題を残していった(総計47項目)。それを今度は日本オフィスの各所に預けたところで、4月からのラッシュがようやくひと段落したところである。同じ会社に4年以上もいると、必然的に目新しいことは少なくなってくるのだけれど、一方で5月の末をこれだけの余裕をもって過ごしているというのは、ここに来てから初めてかもしれない。これから人員削減を行ったことの影響が方々で出てくるのだろうとは思うが、まずは目の前に迫っている試験もあるので、一旦自分のことに集中しようと思う。

 

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というわけで、遅々として進まずながらも、試験の過去問に毎日取り組んでいるのだが、これがなかなかに骨がある。まあ1級相当だから当たり前なのかもしれないけれども、仕事で疲れたところでモーパッサンなんかを読むのは実際けっこうしんどいものがあって、先日昼休みにちょっと試してみたところ、10行目くらいまで2回ほど読んだところで思考が停止して、気がついたら浅い眠りに落ちてしまっていた。おそらくこれはフランス語だからというわけではなくて、例えば同じ時間に『彼岸過迄』を読んでも同じことになるのではないかと思う。過度な一般化をするのは望ましくないとは思うけれど、ここ100年でも言語はより大衆化して、良くも悪くも読みやすいものが増えているのではないかという気がする。とはいえ、本番のテストで19世紀の文章が出てきたら、それはそれで有無を言わず読解せざるを得ないのだが。

 

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一時期一気に落ち込んだ自社の株価がようやく持ち直してきたので、RSUを半分くらい売ってしまうかなかなか悩ましいところである。周りを見ると、vestのタイミングでさっさと売却して、VOO/VTIあたりにそのまま鞍替えしてしまうパターンがけっこう多いのだけれど、これはこれで思考を放棄しているような気もして、若干の抵抗を感じないでもない。それに、個別株の醍醐味(特にハイテク株の)として、先週のNVIDIAのように急騰するケースがあるので、わざわざそのチャンスを捨ててしまってよいのかという思いもある。もちろん分析すれば、数字の上でどちらのほうが期待値が高いか判断するのは難しくないのだろうが、どちらかというとこれは個人――職業人と言ったほうがいいのか――のポリシーの問題なのではないかという気がする。

 

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というわけで仏語の勉強をしなければいけないのだが、25時も近いのでHélène Grimaudのインタビューを軽く観て寝る(テラ美人)。この人の弾くベートーヴェンの31番は僕の愛聴盤のひとつである。

 

PS: 記事を書き終わったところで、バイエルン優勝の一報が流れてきて萎えてしまった。