8月の長い雨、代償の風景

連日の雨で夏であることをすっかり忘れてしまいそうになるけれど、その分だけ東京の街は少しだけ僕に親密になってくれているような気がする。そぼ降る雨というのは、少なくとも僕にとっては、intimacyの象徴みたいなものだ。昔からデートはそういう日にするのが好きだった。そういう意味での甘さは、僕の日常生活からはすっかりなくなってしまったけれど、雨がもたらしてくれる安心感は、今でも小さな心のよりどころのようなものになっている。

 

でも来月あたりから野菜の価格は上がるのだろうなあ。まあそういうものである。

 

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会社の後輩の女の子と話す。彼女の推薦状を書いてから、もう一年半になる。晴れてビジネススクールを卒業して日本に帰ってきたばかりだ。

 

「もう楽しかったです!オランダも、イタリアも、フランスも、(以下略)旅行に行って、すごく世界が広がった感じで!」

 

と、初めてテレビでプロレスを観た昭和30年代の人々のような口ぶりでいろいろと話してくれる。しかしながら、僕は彼女がどこに言って何を食べようと、そんなことに大した興味はない。僕が聞きたかったのは、そうした広がりに伴う葛藤や困難に対して、彼女が何を思い、どう行動したかということだった。僕は彼女を推薦した人間として、そういうところに彼女の成長を発見することを求めていた。しかしながら、話題こそビジネスに移ったものの、その後の話も大半は彼女の武勇伝に過ぎなかった。ビジネス系のバスワードを口数大目に並べられると、それだけでだんだん食傷気味になって、「もういいよ」という気分になってしまう。

 

話終わってから、なんだかずいぶんと考えさせられてしまった。留学なんかよりも、肉体労働でもするか、『プロ倫』でも読んだほうが、彼女みたいなタイプにはよっぽど勉強になるんじゃないかという気がした。

 

☆☆☆

 

ここ数日は若干小康状態だが、ずいぶんグアム周りが騒がしい。2週間前に当地にいたときには、新聞のトップニュースがグアム大学教授のセクハラ問題だったのに、いまやミサイル攻撃の話題で持ちきりである。まあ北はあのとおりの狂った国家だが、本当にアメリカを叩くほどバカでもないだろう。しばらくはこの「やるやる詐欺」が続くのではないかと思う。まあでもこういう状態だと、やはり日本の安全保障というのは相当な政治的イシューにならざるを得ないよなあと思わされる。

 

☆☆☆

 

ビットコインがあまりにも暴騰しているので、いささか驚いている。おそらくこの8月に、日本でも少なくない数の億万長者が誕生したはずだ。 でもまあ、こういう水物のテーマに対する投資は当然しかるべきリスクを伴っており、僕は極力そうしたリスクをとることを好まない。それにeasy come easy goと言われるだけあって、あぶく銭はすぐに消えてしまうものだ。というわけで僕は地道にS&Pに積み立てをする。

 

☆☆☆

 

ここ2ヶ月ほどの当ブログの閲覧データを見ると、だいたい60%人のほどが女性の海外旅行に関する記事を見にきており、8月に入って閲覧者数が対前月比で20%ほど増加している。たぶん旅行なんかに出掛けて手持ち無沙汰な人が、スマホやらタブレットやらで見ているのだろう。ともあれ、このブログをはじめたころは、読む人がそんなにいるとはとても思えなかったので、なんだか不思議な気がする。そういえば、いつのまにか記事の数も100を超えていた。

 

しかしながら、10月からはあまり書くネタも時間もなくなってしまいそうなので、なかなかそれはそれで困りものである。よくあるMBAブログのような見聞録めいたものを書く気は毛頭ないし、第一特定でもされたら厄介である。まああまり気負わずに、そのときに書きたいと思ったことを書くしかないのだろうが。