年末

忘年会続きでグロッキーになっている。酒を呑んでへべれけになる→朝5km走って現実世界に帰ってくるというサイクルを繰り返していると、人生というものがひどくマッチポンプなものに感じられる。アルコールというものを摂取して分解し、それを排泄するためにトレッドミルの上で走るという反復運動を毎年年末に行っているというのは、ある意味では幸せなのだろうが、少し見方を変えてみると、人間としてひどく進歩がないような気がする。

 

☆☆☆

 

面接を受けた会社から結局連絡は来なかった。まあ通っていれば1~2日くらいでコンタクトがあるものなので、たぶんお気に召さなかったのだろう。しかしながら、ここの会社は世界で一番お客様を大切にするとか言っているわりに、求職者を大切にしているとはまったく言えそうもない。まあ会社なんてだいたいそんなものなのだろうけれど。

 

転職をすること自体にはそう積極的ではないのだが、1月あたりから何人かのヘッドハンターから市況の情報を集めるつもり。これは、現在の会社でもうすぐ3年目に入り、次の方向性を見定める時期にきているためである(1年目:学習、2年目: 刈り取り、3年目: バトンタッチという典型的外資系のサイクル)。来年は6月くらいまでだいぶバタバタしそうであるが、その中でどれくらい情報を集めて行動に移していけるかというのが重要になると思う。

 

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とても偉い人から、数年前業界を揺るがした、某外資系製薬トップメーカーのスキャンダルについての話を聞く。この人は当該事件のまさに渦中にいた人である。問題があるにもかかわらず、海外学術ジャーナルのレビューを通ってしまったこと、問題を発見した医師とのやり取り、弁護士やら検察やらとの仕事など、ちょっと他では聞けないものばかりだった。「結局僕としては何が真実だったかを今でも知りたいし、知るべきだと思うんだけれど、弁護士も新聞もそんなことには一切興味はないんだよ。弁護士はどうやったら裁判に勝てるか、新聞はどうやったら記事になるかしか考えてない」との由。まあそういうものかもしれないな、と思った。

 

このあたりは難しいところで、僕もデータ分析の結果を相当程度省略・脚色したりすることはある。正確な意味では、分析・報告の作業において真実など伝えてはいないのだ。ただ、仮にそれをしようとしても、インプットに見合う価値のあるアウトプットは得られないだろうし、報告される側もそんなものは求めていないだろう。じゃあ真実は求められていないのだろうか、という問いに帰ってきてしまうのだけれど、そうなると、いや必ずしもそういうことでもない、ということになってしまう。このあたりは結局バランス感覚を持って調整するしかない部分なのだと思う。

 

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会社の偉い人とカップラーメンを食べるという謎の会に参加する。この人は医師なのだが、そのわりにいつも不健康に見えるものばっかり食べている。カップ麺なんか食べてて大丈夫なんですかねと僕が訊くと、「いや、タバコに比べりゃかわいいもんだよ。女の人の喫煙率増加とさ、肺がんの発症率増加って、笑っちゃうくらいきれいに相関してんの。[…]Pィリップ・Mリスなんかさ、あいつら先進国で売上げが伸びなくなったからってさ、途上国のリテラシーがない人たちのところでバンバンCM出してんの。悪魔だよ、悪魔。[…]とにかく、1ミリもいいことないからタバコだけはやめとけ。俺はガンになってタバコを吸ってたことを後悔した人間をこれまで見まくってきたから」、とのこと。僕もどちらかというとタバコは苦手な方で、もちろん吸わないのだが、じゃあなんでそんなものを国が取り締まらないんだろうなあと思った。たぶん①税金、②タバコ会社との蜜月、③ガン患者が減ると困る、④慣習的なもの、くらいが理由ではないだろうか。ほとんど思いつきだけれど。

 

まあいずれにせよ、タバコは百害あって一利なしとのことである。

 

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気がついたらもうクリスマスである。そのわりにはなんだかずいぶん暖かいので、あまり年末という実感がない。仕事のペースを少し抑えて、掃除と年賀状書きに精を出すことにしよう。