夏も終わりかと思っていたら、思いのほか気温の高い日曜日であった。ここから寝るまでの時間はなるべく仏語の練習に充てたいので、申し訳程度にここ一週間くらいであったことを書いておく。
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COVIDが緩和されてから、初めての週三回飲み会といういささか不謹慎な週であった。四半期の定例打ち上げがひとつ、プロジェクトの打ち上げがふたつ。まあ名目は正直とってつけたようなもので、みんな集まって酒を飲みたいだけなのかもしれない。いずれにせよ、職場の人間関係に恵まれているというのは幸せなことである。
そのうちの一つの会で同席した、これまであまり話したことのなかったエンジニアの同僚が、文系アカデミア関係の話題に明るいことが判明し、例の「オープンレター」の話題になる。その後は仕事関連の飲みであることをほとんど忘れ、あれが自分の青春の墓標であるということを延々と語った。どこにもいけないやるせなさと、自分の中でなにかが終わってしまった寂寥感。それでも、その話題を受け止めてくれる人を同僚の中に見出したことで、少し救われたような気もした。
帰り道、心が行き場を失ってどうしてよいかわからなかったので、最寄りのコンビニでエビアンを買い求め、ノーマスクで『さまよえる蒼い弾丸』を口ずさみながら家までひたすら歩いた。そうでもしないと頭が過去に引き戻されておかしくなりそうだった。たどり着いた自分の家での日常はやけに非現実的で、まるでどこから借りてきたもののように感じられた。
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ずっと行こう行こうと言いつつもうすぐ終わってしまいそうということで、家族で天王洲まで「ブルーピリオド展」を見に行く。入場のオペレーションがあまりにも煩雑なのは辟易したが、僕は僕でデータ収集を宿命づけられたような会社に勤めているということで、まあこれはお互い様かなと思った。客層は20代くらいのカップル、女の子二人組が中心だったけれども、家族連れもちらほら来場しており、我々も浮くようなことはなかったと思う。月並みな表現だが、展示はとてもよかった。正直なところ、どこまで行っても僕は美術の世界は門外漢という感が否めないのだが、おそらく作者(+プロデューサ?)の方のバランス感覚ゆえなのだろう、そういったオーディエンスを置き去りにしない誠実さのようなものが感じられた。ちょっと商売っ気が感じられるところもあったけれども、良質なコンテンツのあるところにお金が落ちるというのは、まあ社会的にはに健全なことではないかと思う。
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さてフランス語の世界に戻ろう。ボロボロになっていくテキストが自分の中でのちょっとしたよりどころになっている。