メメント・モリ

相変わらず動きのない日々である。相変わらず仕事ではバタバタとしつつも、プライベートはハリがあるのかないのかよくわからない日々を送っている。というわけで、今夜も思いついたことを簡単に書き留めておく。ここ最近は日曜の夜に一週間を振り返ってこのスペースのささやかなブログ記事にまとめるというのがちょっとしたルーティンになっている。

 

☆☆☆

 

前々職のグローバルのトップNo. 2であった方の訃報が飛び込んでくる。数回しか会ったことはないし、直接話したのは確か新宿のホテルでディナーをした一回きりだったけれど、少ないながらも直接関わりのあった方だったので、少なからずショックを覚えた。Linkedinでは、多くの元同僚がその死を悼む記事を投稿しており、彼が与えた影響の大きさを改めて思い知らされた(レビューではほとんど鬼のようだったが…)。日本人からすれば、ほとんど桁外れの金持ちだし(確か自宅にゴルフ場があると聞いたことがある)、社会的ステイタスでいっても相当に高いところにいた人ではあるけれど、死は残酷なまでにどこまでも平等である。僕は僕で、そんなに人生に長い時間が残されているわけではないのだ。死を適切に想うこと――つまりはそれが生きることなのではないか、そんなことを思った。

 

☆☆☆

 

目黒にあるブタのいるカフェに行く。もちろん僕が希望したわけではなく、娘の接待の一環である。ここでは8匹くらいのマイクロブタのいるスペースでお茶ができるということをコンセプトにした空間なのだが、なぜかこのブタたちに僕は妙にモテた。僕のほうは、膝に5匹くらいがまとめて乗ってきて、ひたすらブヒブヒ言っているということが数回あったに対して、妻・娘に対してはほとんど平常運転であった。確かに可愛いことは可愛いのだが、言葉の通じない生物が自分の上でまとめて鎮座しているという光景は、何とも言い難い不安を感じさせるものがある。僕は都会の中で、そしてロゴスの中で生活しているのだ、と思った。

 

☆☆☆

 

週末にもろもろサブスクリプションを整理して、使用頻度の低いサービスを解約するとともに、Spotifyの有料プランに申し込んだ。少なくとも週5日は家で音楽を聴きながら仕事していること、youtubeの広告にフラストレーションが溜まりまくっていたことを考えると、もっと早く契約してもよかったなという気がする。いろいろな音楽を漁りながら改めて思ったのは2010年~2018年あたりの流行曲がほとんど頭に入っていないということである。これは、二人の娘の子育てをしていた期間とビジネススクールに行っていた期間にほぼ完全に一致している。代わりに、その間のプリキュアの曲はほぼすべて歌うことができる。大人になるというのはそういう側面もあるのだな、と思う。一方で、その空白期間の音楽を改めて楽しむことができるというのは、僕にとって密やかな、そして大きな喜びである。